江戸の夜空に舞う色は

江戸時代の花火はほの暗い橙色

それでも、街灯も何もない時代です。当時の人の目にはずいぶんと明るく映ったことでしょう。

橙色の正体は原料の木炭が燃えた色。これを称して「和火(わび)」という。

それに対して「洋火」は、明治時代に輸入された塩素酸カリウム、アルミニウム、マグネシウム、炭酸ストロンチウム、硝酸バリウムを利用することによって明るさがアップし、それまで出せなかった鮮やかな色も出せるようになった

なかでも重要なのが、マッチの原料でもある塩素酸カリウム。

これが花火に使用されるようになって、赤や青など金属化合物の燃える鮮やかな色を出すことが可能になった。

今、私たちが見る鮮やかな色は、西洋の技術を採り入れて独自の技術に昇華させた、先人の創意工夫によるものなのだ。

ところで、日本で球状の花火が打ち上げられるようになったのは、川や海岸で打ち上げられるから。観客はあらゆる方角から見物するため、立体的に発光させる必要があったのだ。